2022-01-01から1年間の記事一覧

『大正女官、宮中語り』を読んで

著者の山口幸洋氏は静岡を中心に日本全国の方言を研究している方で昭和天皇のものの言い方のアクセントに興味を抱いていたという。そこに、地元の同級生が世話になっている坂東さんという方が大正天皇にお仕えした女官だったという話が舞い込む。もともと地…

『月経の人類学』を読んで 

「生理用品の質的向上により女性の社会進出が進んだ」というのは『生理用品の社会学』を読んで知った気になっていた。 けれど、これは清潔な水へのアクセスやプライバシーが守られるトイレ、そして使用済み生理用品の廃棄処理という様々なインフラが経済成長…

服の購入についての信念

服を新品で購入することに抵抗がある。 理由は主に以下の3つだ。 1つめ、 服の値段が狂気的なほど安く、購入した途端搾取に加担してしまう気がしているから。 物価が安い国で安い金額で働かせ続けたら、いつまでも低賃金でしかいられない人を産み出してしま…

『宗教の経済学』を読んで

統一教会の話題が盛り上がっている今、宗教について知りたくて読んでみた。 主にキリスト教に本腰を置いた内容だけど、イスラム教や仏教、ヒンズー教、ユダヤ教そしてカルト宗教にも触れている。それぞれの宗教の歴史的背景と、その宗教がいかに経済資本とな…

『じゅうぶん豊かで、貧しい社会』を読んで

欲について産業革命前から今を考察している本。 特に印象的だったのはケインズの主張。「食べるに困らない生活水準に達すれば、人は労働から解放され自由になれる」と産業革命前は本気で信じられていたのだ。生命の維持がそもそも大変だった時代からすると、…

ちょこざっぷに通い始めた

続々とOPENをきめてる格安ジムが近所にできたので契約した。 痩せたい願望は無く(むしろいい感じに太りたい)、きれいな体型になりたくて週に2〜3回程度通ってる。 以前FASTジムに通っていたけれど月8000円近くかかり、お財布にあまり優しくなくて正社員の…

映画『海賊とよばれた男』を観て

出光興産の発展にまつわる歴史をモデルにした映画で、日本の戦後復興期に立ちはだかる世界情勢の圧力に真っ向から対抗する大和魂が描かれていた。 泥臭い苦行に耐えながら、時代時代の先取りで成功に導いた功績は本当に素晴らしいと思うと同時に、今では考え…

『SWALLOW』を観た感想

異食症を患った主人公のハンターに、夫がかけた言葉が「結婚前に教えてくれ」だったの、とても印象に残っている。 誰しも人は壊れていく可能性はあるもので、何かあっても支えていくのが家族なのに酷いなぁ、優生思想だなぁ、怖い人だなぁと思って観ていた。…

感情のはけ口になってしまった

今日は明らかに私のミスではないことで一方的な怒りをぶつけられてしまった。事情を説明しても怒りに囚われた相手方は聞く耳などなくてこちらが折れるしか道はない。 さらに卑怯なのは当事者全員がいる場ではなく、私と1対1のフェアじゃない場面で詰めたこと…

『草祭』作者 恒川光太郎

高校生の日常から始まるストーリーはまるでラノベ小説のよう。恋愛や友情、いじめの問題などありふれた内容が続くのかと思って読んでいた。けれど、そんな思い込みはつかの間で、「美奥」という町の不思議な魔力に取り憑かれてしまった。 今現在を語る箇所か…

『ヒトラー 虚像の独裁者』著者:芝健介先生

発売された数日後に買って、少し読んで放置してしまった本の1つ。積読になっていたのを再び読み始めています。 まだ3割ほどしか読めていないのですが中間感想をまとめます。 【悪魔が産まれたわけじゃない】 反ユダヤ主義思想でおなじみのヒトラーについて、…

『プロミッシング・ヤングウーマン』を観て

性犯罪があっても、男は何も失わずその後の人生を順調に生きている一方で女だけが負の傷跡を抱え、セカンドレイプによるレッテルを背負い生きていかなければならない現状を描いた作品だった。 セカンドレイプが理解できない人と仕事をしたことがあるのだけれ…

久々の投稿

1年半ぶりに投稿を再開しました。 パートタイマーになり、メンタルの状態が落ち着いて、今後の仕事のこととかを考えて資格の勉強に力を注いでいたらこんなに時が経っていました。 資格は社会保険労務士を目指して勉強中なんですけど、本当に難しいですね…(…

『三島由紀夫vs東大全共闘50年目の真実』を観て

【鑑賞のきっかけ】 安倍元総理が山上氏に殺害された事件後、Twitter上では「言論の自由」「暴力反対」の声が沢山流れていた。その幾重にも流れるツイートの中に、言葉に力があることを感じさせた作品としてこのムービーのことがつぶやかれていた。 ナチスや…