『蒲団』作者:田山花袋

読んでから随分と経ってしまったのだけれど、印象に残っていることを2つ書いておこうと思う。

 

まず、人の容姿をとやかく描いているのが好きじゃなかった。容姿で何かしらの感情が生まれるのは当然のこととしても、それを他人がとやかく比べて劣っているとか優れているだとかの評価を下すことができる貴方は何様なの?という怒りが込み上げてしまい楽しく読めなかった。

 

2つ目は、主人公が女を欲望のままにみているのも気持ちが悪く、「犯してしまえば良かった」などと書いてあるのは、たとえ私自身の憧れる架空の片思いの人に置き換えてみても全く賛同できるものではなかった。

 

昔は人を大切にする基準が著しく低かったのだなと痛感する。今もそうだからやりきれない。