奇怪なストーリーやオチで笑いが出る物語がショートストーリーで構成されていて全体的に読みやすかったです。本嫌いの人にも良いかも?
一番面白いと思ったストーリーは「脳内ちゃんねる」です。
ある日突然、イメージとしてはニコ動でスレ文字が流れてくあの文字が、目の前に流れ始めた20代後半ニート男性のお話です。
事の内容の滑稽さに加え、真面目に悩んだり楽しんだり原因を解明しようと奔走したりする若者のリアルな反応が面白く、また、文字が見えるようになってからの生活の方が今までのニート生活よりも断然張り合いが出てきているのが何とも皮肉でコントを見ているような感覚になりました。
このまま面白いままで話が終わるのかと思いきや、最後は切ない終わり方をするのも展開として軽やかで、多少しんみりするものの、ショートストーリーらしい陰鬱さがなくさっぱりとしていて、読み終えた瞬間に「面白かった〜」となるお話でした。
あとがきで少女を主人公に続編を書いてみようかなと書いてあったので、もしあるなら読んでみたいです。