映画『八日目の蝉』の感想

自分が誘拐された事件が原因で、崩壊した家庭で育てられた少女の特殊なストーリーなのに、親に甘えてこれなかった私自身のの過去とリンクして、チクリチクリと心を突き刺すものがありました。

 

普通の生活を知らないところから、少しずつ母親だと思っていた犯人との過去に向き合っていく過程の中には、愛情に溢れた生活があり、犯人を完全に否定することができない葛藤を受け入れて前に進んでいこうとする姿が描かれていました。

毒親から自分を取り戻してくストーリーのようにも見えました。

 

最後に、「産まれる前からこんなに可愛い」とお腹の子への愛情を存分に伝えているシーンがあったのだけれど、私自身、出産経験はあっても、産まれる前から可愛い」と思う感情がなく、なかなか子どもがいるという実感がなかったので、最後に拍子抜けしたというか、なんだか今までの感動から目が覚めて現実に戻ってきたような感覚がありました。

 

子どもができたら実感って湧くものなのかな…?産んでからも数ヶ月は実感がなくて、自分おかしいんじゃないかと思ったことがあるので、そういう感じ方もあるんだというのは分かっていて、感動するシーンなんだろうなと思っていたけれど、共感には至らなかったです。

 

ところどころグッとくる映画でした。